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顎が外れる(顎関節脱臼)

ヒト顎関節

ヒトの顎が外れやすいのは、顎関節の形態的・機能的特徴にあります。

ヒト顎関節は耳の前方にあり、下顎窩と呼ばれる骨の凹みがあり、ここに下顎骨の頭(下顎頭)が入っています。

ヒトの最大開口量は男性で52mm、女性で48mm程です。かなり大きく開きます。顎関節の特徴として下顎頭(関節にある下顎骨の頭の部分)は前方に動きながら回転します。そして関節結節より前方に位置するようになります。一見顎が外れたように見えますが、顎が外れたとは言いません。このように関節結節より前方に動いても閉口時には元の位置にもどることができます。その理由は下顎頭は関節結節の前方に位置しますが関節結節より上方には移動しないからです。顎が外れるヒトは下顎頭が関節結節より前上方に位置します。        

顎が外れた関節

顎が外れたヒトの顎関節を正常者の顎関節と比較してみます。同じく下顎頭は関節結節を超えていますが、正常者よりも上前方に位置するようになっています。口を閉じるには下顎頭が元の場所にもどる必要が有ります。しかし下顎頭は関節結節の高まりが邪魔になり元に戻れません。この戻れなくなった状態を顎関節脱臼(顎が外れた)と言います。正常者と異なりなぜこのような状態になるかはよくわかっていませんが、関節構造体が弛緩していることや関節運動に関与する咀嚼筋群の協調失調などが考えられます。

習慣性顎関節脱臼

顎の外れをくりかえすことを言います。顎の外れが頻繁に起こる場合を言い、その都度お医者さんの世話になることになります。

この場合の根本的治療としては、手術的治療しかありません。

しかし高齢者に多く見られる疾患でもあることから、開口制限をおこなう顔面包帯(顔面バンデージ)で対応することもあります。顔面バンデージには種々なものが市販されています。下記はその一例です。

治療(関節結節切除術)

顎関節脱臼を治療する手術には種々ありますが、その一つが顎関節構造の前方部分にある関節結節という高まりを除去する手術です。私はこの手術が一番確実と思っています。この手術は全身麻酔下手術となります。