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ガミースマイル

ガミースマイルは、笑った時に前歯より歯茎が目立つ状態を言います。笑った時には前歯と少しの歯茎が見えるのが美しいスマイルです。

また歯茎が見えすぎるのは歯周病との関連もあります。



ガミースマイルの原因は種々あり、的確に診断し適した治療法を選ぶ必要があります。

ガミースマイルとは

ガミースマイルとはスマイル時に、過剰に歯茎が見える状態を言います。スマイル時に3mm以上の歯茎が見える場合は審美性を損なうと言われています。
発生頻度は成人の若い男性で7%、若い女性で14%と報告されています。
矯正歯科治療を受けている患者の26%はスマイル時に歯茎の露出が2mm以上あると言われています。

良好なスマイル

スマイル時の歯茎の露出は正常で1−2mmが良好で、スマイル時は完全に上の歯は露出し、少しの歯茎が見えるのが若々しく美しいです。

スマイルラインは3種に分類されます。

Ⅰ Low smile line: 前歯の見える量が75%以下

Ⅱ Average smile line: 前歯の見える量が75−100%

Ⅲ High smile line: 前歯全体と2mm以上の歯茎が見える

    ガミースマイルの人は High smile line に分類され、より歯茎の露出量が多い状態を言います。

口唇の緊張がないときの上顎前歯の露出は正常で1−4mmです。矯正歯科治療や上顎骨手術では、この数値を目安にして歯の移動や手術による骨の移動をおこなっています。

ガミースマイルの原因

ガミースマイルの原因は種々あり、適切な診断により治療を行う必要があります。このためすべての原因と治療法に精通した歯科医師または医師でなければなりません。

原因として、歯以外が原因と歯が原因の2つに分けられます.

歯以外が原因

 1、上顎骨の上下的過成長/上顎前突

 2、上唇が短い

 3、上唇の挙上が大きい

歯が原因

 4、上顎前歯の過剰萌出

 5、歯冠長が短い

 6、歯の磨耗や病的歯肉増殖

 1、上顎骨の上下的過成長/上顎前突

中・下顔面(上顎骨および下顎骨)が長く、口唇リラックス時の上顎前歯の露出が大きく、スマイル時はガミースマイルとなります。

症例では、口唇リラックス時の上顎前歯露出が大きくほぼ前歯全体が見えています。     

上顎前突(出っ歯)の場合も同じく口唇リラック時は歯面露出が大きくガミースマイルになりやすい。横からの咬み合わせをみると、上の前歯が下の前歯より大きく前にあります。

       

2、上唇が短い

頻度はかなり少ないが、上唇の長さが短いと上唇のリラックス時の歯面の露出も大きくスマイル時の歯茎の露出も大きくなります。

上唇長の平均は、女性で20-22mm, 男性で22-24mm

上唇長は一般的に男性より女性が短い。またアジア人は欧米人より長い傾向にあります。


       

3、上唇の挙上が大きい

スマイル時の上唇の大きな挙上は上唇挙筋群の過剰な緊張による。スマイル時の上唇挙上は正常で5-6mm、しかし過剰機能では6-9mmまで上唇が挙上し、ガミースマイルとなります。

右図では、口唇リラックス時の歯面の露出は正常であるが、スマイル時は上唇が大きく挙上されガミースマイルとなっています。

4、上顎前歯の過剰萌出

上顎前歯が過剰に下方に延び、咬合時は下顎前歯を覆っています。この咬合を過蓋咬合といい、結果としてガミースマイルとなる。このような症例は矯正歯科的治療が必須である。図の症例では歯冠長が短いため、歯冠長の延長も必要です。      

5、歯冠長が短い

歯の萌出とは対合歯と接触するまで延び、同時に歯肉が退縮し正常な歯面露出となることである。萌出後の歯肉の退縮が少ない場合は歯面の露出が少なくなり、ガミースマイルとなります。






正常萌出時の良好な歯面露出量の比は、縦横比で1:0.8です。       

6、歯の磨耗や病的歯肉増殖

歯の極端な磨耗は歯を短くする。また極端な歯肉増殖は 見た目の歯面露出を少なくする。病的歯肉増殖は薬剤(てんかん薬、免疫抑制剤等)により生じることが多く薬物性歯肉増殖と言います。     

ガミースマイルの原因を探る

ガミースマイルの原因は種々あり、原因を探ることにより適切な治療法がみいだせます。

以下のフローチャートを使うと原因と治療法にたどり着きます。

*青色が治療法     

ガミースマイルの治療

     

ガミースマイルの治療には、以下の5つの方法がある。医師および歯科医師はすべての治療法を理解し対応できることが必要です。


1、矯正歯科的治療

上顎骨が縦に長い場合に適応され、従来は顎骨手術が適応であったが、アンカースクリューの登場で可能になった。上顎前歯間にチタンスクリューを挿入し、これを支えに上顎前歯を上方に移動させる。移動量には限度があります。

矯正歯科専門医での治療となります。


2、歯肉整形術/歯冠延長術

露出歯面が少ない場合に適応され、歯肉縁を切除し歯冠の縦横比を適切にします。

スマイルライン、歯冠の縦横比、歯肉縁をラインを考慮して歯肉縁を切除します。

歯肉ポケット、付着歯肉幅、歯槽骨頂縁位置の正確な把握が必要です。

写真では、歯面の露出量が少ないために歯肉切除術が適応されました。術中写真ですが、上の写真が術前で下の写真が術直後です。歯肉縁が切除され良好な歯冠の縦横比が確保されました。


3、粘膜切除術

   

スマイル時に上唇の挙上が多きい場合に適応され、

上顎左右4番間の歯槽粘膜をある幅で切除し粘膜の長さを短くする方法です。






粘膜のみが切除された状態。

上唇挙上筋の運動制限のため、特殊な縫合と鼻中隔下制筋の切離を行う場合もあります。




切離された粘膜縁は縫合され、上唇粘膜の長さが短くなります。上唇を長くするためV-Y縫合を追加する場合もあります。


4、ボトックス注射

スマイル時に上唇の挙上が大きい場合に適応され、上唇挙筋群の運動を抑制する方法で、手術でないため侵襲性はないが後戻りがあります。上唇の挙上に関与する3つの筋が集束する鼻翼部に注射をします。鼻中隔下制筋のある鼻中隔に打つ場合もあります。

約3ヶ月持続するが徐々に戻ります(半年)。


5、上顎骨手術


上顎骨が上下に長い場合に適応され、上下的に大きい上顎骨を切除し短くする方法(中顔面短縮)です。Le Fort1型骨切り術で全身麻酔下手術となりますが恒久的効果があります。図の赤色部分を切除し、歯列のある上顎骨部分を上方に移動し、プレート(チタンプレート等)で固定します。

      





口が閉じにくかった状態が上顎の長さが短くなったため、口が閉じやすくなります。

治療の流れ

 患者さんの利便性のため、可能な限り受診日手術を心がけています。

以下の流れで当日手術を行います。ただし歯肉整形術と粘膜切除術に限ります。

手術は局所麻酔下で行います。

患者さん自身で、原因を探るフローチャートでどの治療法が適切かを見つけてください。ほとんどの患者さんは歯肉整形術か粘膜切除術で対応できると考えています。


■電話又はネットで受診予約(手術予約枠の確保)

   ↓    

■受診(初診)

問診、診察、適切な治療法の選択 、説明と同意

   ↓

■当日手術 

   ↓

■術後経過観察

縫合糸は吸収されるため抜糸の必要性はありません。また糸は白色で目立ちません。

術後の出来上がり程度や合併症有無の観察のため、最低でも一度は術後に受診してください。


料金

ガミースマイルの手術は、すべて保険が効かない自費診療となります。

■歯肉整形術                                                                                              

 上顎6本(前歯):\30,000 

上顎10本(前歯+小臼歯):\50,000


■粘膜切除術 \150,000

■上顎骨手術:詳細は料金表

  

料金表➤